放課後等デイサービスは、障害のある子どもたちに対し、学校終了後や休日に適切な支援を提供する福祉サービスです。近年、サービスの質向上を目的として、専門職の配置が求められるようになっています。そのため、一定の要件を満たすことで「福祉専門職員配置等加算」を取得できる制度が設けられています。本記事では、放課後等デイサービスにおける福祉専門職員配置等加算について詳しく解説します。
1.福祉専門職員配置等加算とは?
福祉専門職員配置等加算とは、放課後等デイサービスなどの障害福祉サービス事業所において、一定割合の福祉専門職員を配置することで、事業所の報酬に加算が付与される制度です。この加算は、福祉サービスの質向上を目的としており、より専門的な支援を提供できる体制を評価するものとなっています。
2.加算の目的とメリット
2-1. 加算の目的
福祉専門職員を配置することで、以下のようなメリットがあります。
- 専門性の高い支援の提供:障害特性に応じた個別支援が可能になる。
- 職員のスキル向上:有資格者がいることで、事業所全体の知識・技術が向上。
- 利用者の満足度向上:保護者や関係機関からの信頼が高まる。
- 事業所の収益向上:加算を取得することで、報酬単価が増加。
2-2. 福祉専門職員配置等加算のメリット
この加算を取得することで、事業所はより安定した経営を行うことができます。特に、放課後等デイサービスでは、個々の子どもに合わせた支援が求められるため、専門職の配置は大きな強みとなります。
3.福祉専門職員配置等加算の対象と要件
3-1. 加算の対象となる事業所
福祉専門職員配置等加算は、以下の事業所で取得可能です。
- 放課後等デイサービス
- 児童発達支援 など
3-2. 配置が必要な福祉専門職員の資格
加算を受けるには、以下の資格を持つ職員を一定割合配置する必要があります。
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 精神保健福祉士
- 公認心理師
- 臨床心理士
3-3. 加算の区分と単位数
福祉専門職員配置等加算には、以下の3つの区分があります。
区分 | 加算単位数(1日あたり) |
福祉専門職員配置等加算Ⅰ | 15単位 |
福祉専門職員配置等加算Ⅱ | 10単位 |
福祉専門職員配置等加算Ⅲ | 6単位 |
3-4. 加算の算定要件
加算を取得するための具体的な要件は以下のとおりです。
- 加算Ⅰ:
- 常勤で配置されている従業員のうち、福祉専門職員の割合が35%以上。
- 加算Ⅱ:
- 常勤で配置されている従業員のうち、福祉専門職員の割合が25%以上。
- 加算Ⅲ:
- 常勤職員の割合が75%以上。
- 常勤職員のうち3年以上従事している職員が30%以上。
4.注意点
- 定期的な監査があるため、記録をしっかり残す
- 要件変更に対応できるよう、最新情報を確認する
- 適切な職員配置を維持しないと加算が取り消される可能性がある
5.まとめ
福祉専門職員配置等加算は、放課後等デイサービスの質を向上させるとともに、事業所の経営安定にも寄与する重要な制度です。適切な職員配置を行い、要件を満たすことで、加算を取得し、より良い支援を提供することができます。
今後、放課後等デイサービス事業所の運営において、この加算の取得を検討する際の参考になれば幸いです。
参考:障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編(中央法規)
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