兵庫県尼崎市における障害者グループホーム（共同生活援助）開設のための施設要件

  1. 物件の基本条件

兵庫県でのグループホームに求められる物件基準は、利用者が安全で快適な生活を送れる環境を整えるためのものです。具体的な条件は以下の通りです。

  • 建物の構造：アパートやマンション、一戸建てなど、一般的な居住物件でグループホームとして利用可能です。ただし、防災対策やバリアフリー設備の導入が可能な構造であることが望まれます。
  • 物件の所有形態：物件は賃貸でも自己所有でも利用可能です。賃貸の場合、物件オーナーの理解を得て、必要な改装や防災設備の設置ができるよう契約内容を調整する必要があります。
  • 定員数：1住居あたりの定員は2～10名、1事業所全体の定員は4名以上とすることが求められています。また、サテライト型（離れた住居）での運営も可能で、地域内で移動時間が30分以内の物件であれば同一事業所として扱えます。

 

  1. 居室と共有スペースの要件

グループホームにおいて、居室および共有スペースの配置は利用者の生活の質に直結するため、次の点を考慮して物件を選びます。

  • 居室の広さ：居室は一人一室が基本で、面積は7.43㎡以上（約4.5畳）を確保する必要があります。プライバシーを尊重するためにも、仕切りのある個室が推奨されます。
  • 共有スペース：キッチン、リビングルーム、浴室、トイレなどの共有スペースが必要です。特にリビングやダイニングは利用者がリラックスできるよう、十分な広さと自然光が入る環境が望ましいです。

共有スペースの具体的な配置例

スペース 必要面積の目安 設備例
リビング 12～20㎡ ソファ、テレビ、テーブルなど
ダイニング 8～15㎡ ダイニングテーブル、椅子
キッチン 5～8㎡ コンロ、調理台、収納
浴室 3～5㎡ シャワー、バスタブ（安全設備付き）
トイレ 1.5～2㎡ バリアフリー対応（手すりなど）

  1. バリアフリー設備

利用者の中には、身体的な支援が必要な方もいるため、バリアフリー対応が求められます。以下は、グループホームに求められる主なバリアフリー設備の要件です。

  • 段差解消：建物内の段差を可能な限り解消し、車椅子利用者や足腰が弱い方が移動しやすい環境を整えます。
  • 手すりの設置：階段やトイレ、浴室などには手すりを設置し、転倒防止対策を徹底します。
  • 扉の幅：車椅子が通れるように、居室やトイレ、浴室の扉の幅を広めに確保します。目安としては80cm以上が推奨されます。
  • 浴室の安全設備：浴室には手すりや滑り止めマット、緊急呼び出しボタンなど、安全設備を備えます。

 

  1. 防災設備

グループホームでは、利用者の安全を確保するために防災設備の導入が義務付けられています。特に、障害支援区分が4以上の利用者が多い場合、消防法に基づき以下の防災設備が必要となります。

  • 火災報知器：全室に火災報知器を設置し、早期警報が可能な体制を整えます。
  • スプリンクラー設備：小規模な施設の場合は、パッケージ型自動火災設備も許可されていますが、安全のためにスプリンクラーの設置が望ましいです。
  • 非常用照明：停電時にも安全に避難できるよう、非常用照明を設置します。
  • 避難経路の確保：避難経路を確保し、利用者が安全に避難できるように建物のレイアウトを工夫します。また、避難訓練を定期的に実施し、職員と利用者が対応方法を理解しておくことが重要です。

 

  1. 尼崎市内での立地条件

尼崎市での物件選定時には、以下の地域条件も考慮しましょう。立地は利用者の生活の利便性や地域との連携に影響します。

  • 交通アクセスの良さ：公共交通機関へのアクセスが良い場所が望ましいです。尼崎市内では、阪急や阪神電車の沿線で、近隣にバス停がある物件が選ばれることが多いです。
  • 周辺施設との距離：病院や福祉施設、コンビニやスーパーなど、日常生活に必要な施設が近くにあることが理想です。特に医療機関は徒歩圏内、もしくはアクセスが良いエリアであると安心です。
  • 地域との連携：地域の理解を得るため、商業地や住宅街など地域住民との接点がある場所を選ぶと良いでしょう。尼崎市は比較的人口が多いため、地域社会との協力体制を構築することで、利用者が安心して生活できる環境が整います。

 

 

まとめ

尼崎市での障害者グループホーム（共同生活援助）開設に適した物件には、利用者が安心して暮らせる設備と安全性が求められます。物件の選定に際しては、居住環境や防災対策、バリアフリー対応を十分に検討し、地域の特性や利用者のニーズに合わせた環境を整えましょう。立地や賃貸条件の確認も含め、尼崎市役所の障害福祉課や専門家に相談しながら、適切な物件を見つけることが成功への近道です。

参考文献

  • 兵庫県福祉部障害福祉課『障害者グループホーム開設の手引き 令和6年改訂版』

 

開設の為の指定申請書類の作成は行政書士にお任せいただけます。

西宮市・尼崎市・宝塚市・伊丹市・川西市で障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス施設を始めようとお考えの事業主様、行政書士に申請書類作成をご依頼いただき、事業主様は開業準備に専念しませんか。

お気軽にお問い合わせくださいませ。