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放課後等デイサービスの「身体拘束廃止未実施減算」とは?

〜基本報酬が下がってしまう前に知っておきたいこと〜

 

こんにちは。放課後等デイサービスを運営されている皆さまへ、今回は「身体拘束廃止未実施減算」という、ちょっと難しい名前の制度について、できるだけやさしく解説します。

 

  • そもそも「身体拘束」って?

放課後等デイサービスでは、子どもたちの安心や安全を守るために、原則として「身体拘束」は行わないというルールがあります。

身体拘束とはたとえば――

  • 子どもの動きを押さえつけたり
  • 無理に椅子に座らせたり
  • 行動を制限するために閉じ込めたり

…など、子どもが自由に動けなくなるような対応のことです。

もちろん、どうしても危ない場面で一時的に対応せざるを得ないこともあると思います。ですが、それは「緊急のときだけ」で、「しっかりルールと記録があること」が大切です。

 

  • 減算ってどういうこと?

厚生労働省では、放デイで「身体拘束ゼロ」をめざす取り組みがしっかりできていない場合、その事業所に対して基本報酬を1%減らすというルールを設けています。これが「身体拘束廃止未実施減算」です。

この減算は、子どもたちの権利を守るために、とても大切な考え方です。

 

 

  • 減算の対象になるのはどんなとき?

次のようなことがひとつでもできていないと、減算の対象になります

チェック項目 内容
① 記録がない もし身体拘束をしたときに、時間や理由などを記録していない場合
② 委員会を開いていない 年に1回以上「身体拘束について話し合う会議(委員会)」を開いていない場合
③ 指針がない 「身体拘束をしないための考え方(方針)」を文書にしていない場合
④ 職員研修をしていない 職員向けに、身体拘束についての研修をしていない場合

たとえ実際に身体拘束をしていなくても、こうした準備や仕組みが整っていないだけで、減算の対象になってしまうことがあります。

 

  • 減算になると、どのくらい影響があるの?

例えば、1日に10人の子どもが通っている事業所の場合、

  • 1人あたりの報酬:720単位(例)
  • 減算:1%(=7単位)
  • 10人分で1日あたり:70単位の減少

月に20日営業したとすると、
月に約1,400単位の報酬が減ることになります。
金額にすると数万円規模の収入減になることもあるので、注意が必要です。

 

  • 減算を防ぐために、今日からできること

はじめての方でも、次のような対応からスタートすれば大丈夫です。

記録の準備

万が一に備えて、「身体拘束記録シート」を事前に用意しておきましょう。記録には日時・状況・職員名などを書きます。

委員会の開催

年に1回でOK。外部の方(たとえば相談支援専門員など)に協力してもらいましょう。Zoomでも開催できます。

指針(方針)の作成

「うちの事業所では、身体拘束をしないようにどんなことに気をつけているか」を文章にまとめ、職員に配布します。

研修の実施

年に1回、身体拘束についての職員研修を行いましょう。動画視聴やグループで話し合う形でもOKです。

 

  • 子どもたちの安心のために、できることから

この制度の目的は、ペナルティを与えることではありません。子どもたちが安心して過ごせる場所をつくることが一番の目的です。

「身体拘束をしないようにするには、どんな工夫ができるかな?」
「職員同士でどう支え合えばいいかな?」

そんなふうに、現場の声を大切にしながら取り組むことで、自然と減算の対象にはならなくなります。


最後に・・・

お困りごとはお気軽にご相談ください

当事務所では、放課後等デイサービスや児童発達支援などの開設・運営支援を行っています。
書類作成の流れや減算防止のチェック体制づくりなど、お気軽にご相談ください。
事業主様の、不安・面倒・わからない・質問したい等というお気持ちに寄り添いサポートさせていただきます。

西宮市・尼崎市・宝塚市・伊丹市ほか近隣地域で
放課後等デイサービスを始めようとお考えの事業主様、行政書士に申請書類作成をご依頼いただき、事業主様は開業準備に専念しませんか。

初回相談は無料です。
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