太陽光発電設備の名義変更/はりま行政書士事務所/西宮尼崎伊丹宝塚兵庫大阪/太陽光パネル

【相続放棄されていたらどうする?】太陽光発電の名義変更で前所有者が死亡していた場合の解決法

太陽光発電設備の名義変更について、最近、このようなご相談が増えています。

「太陽光発電設備が設置されている建物を購入しました。ところが、太陽光発電設備の名義が以前の所有者のままになっています」

「前の所有者は亡くなっていて、親族に連絡したところ、『私は相続放棄しているので関係ありません』と言われてしまいました」

「建物を購入した不動産会社に聞いても、太陽光発電設備については分からないと言われました」

このようなケースでは、現在の所有者の方が「一体、誰に名義変更の手続きをお願いすればいいの?」と困ってしまうことがあります。

太陽光発電設備の名義変更では、現在の所有者だけでは解決できず、過去の所有関係や相続関係をたどる必要があるケースがあります。

今回は、実際に起こり得るこのようなケースについて、分かりやすくご説明します。

 

建物を購入したのに、太陽光発電設備の名義が違う?

まず注意したいのが、建物の所有権と太陽光発電設備の認定上の名義が、必ずしも同じ状態になっているとは限らないということです。

例えば、太陽光発電設備が設置された建物を購入した場合、現在の所有者としては、建物と一緒に太陽光発電設備も取得したと考えるのが自然です。

しかし、太陽光発電設備について必要な名義変更の手続きがされていなければ、経済産業省への認定上の名義は、以前の所有者のままになっていることがあります。

さらに複雑なのが、

前所有者 → 不動産会社 → 現在の所有者

という形で売買されているケースです。

不動産会社が一度建物を購入し、その後、現在の所有者へ売却しているような場合です。

現在の所有者からすれば、

「不動産会社から購入したのだから、不動産会社に聞けば分かるはず」

と思いますよね。

ところが、実際には不動産会社側も太陽光発電設備について詳しく把握しておらず、

「太陽光発電設備のことは分かりません」

と言われてしまうことがあります。

 

さらに前所有者が亡くなっている場合

ここから、さらに話が複雑になります。

太陽光発電設備の名義人である以前の所有者が、すでに亡くなっているケースです。

現在の所有者が過去の所有者について確認しようとしても、当然ながら本人に連絡を取ることはできません。

そこで、不動産会社経由などから法定相続人を確認し、連絡を取ることになります。

ところが、法定相続人から、

「私は相続放棄しています」
「財産は相続していません」
「もう私には関係ありません」

と言われてしまうことがあります。

このような場合、「では、その法定相続人に名義変更をお願いすればいい」と考えてしまうかもしれません。

しかし、相続放棄をした方は、法律上、その相続については初めから相続人とならなかったものとみなされます。裁判所も、相続放棄を「亡くなった方の権利や義務を一切受け継がない」ための手続きと説明しています。

そのため、相続放棄をした方に、相続人として名義変更の手続きをお願いすることが適切なのかは、難しい部分があります。

 

法定相続人全員が相続放棄している場合は?

では、法定相続人が全員相続放棄していた場合はどうなるのでしょうか。

相続人が誰もいなくなったとしても、亡くなった方が所有していた財産がなくなるわけではありません。

相続人の存在、不存在が明らかでない場合には、家庭裁判所に申し立てることによって、相続財産清算人が選任される制度があります。裁判所の公式案内では、相続人全員が相続放棄をして、結果として相続する者がいなくなった場合も、この手続きの対象に含まれるとされています。

相続財産清算人は、被相続人の債務を清算するなど、相続財産について必要な手続きを行う立場です。

ただし、ここで注意したいのは、

「相続人全員が相続放棄した=自動的に相続財産清算人が選任される」わけではない

ということです。

相続財産清算人の選任は、家庭裁判所への申立てを経て行われます。つまり、相続人全員が相続放棄していたとしても、実際に相続財産清算人が選任されているかどうかは、個別の事情を確認する必要があります。

 

「相続放棄した人」ではなく、「その後」をたどる

ここが、太陽光発電設備の名義変更で非常に重要なポイントです。

前所有者の法定相続人から、

「私は相続放棄しています」

と言われた場合、

「では、別の相続人を探さなければ」

と考えるだけではなく、その後の経緯をたどることが重要です。

例えば、

・前所有者が亡くなった
・法定相続人が相続放棄した
・相続財産について家庭裁判所で手続きが行われた
・相続財産清算人が選任された
・相続財産について何らかの処分が行われた
・その後、不動産会社が建物を取得した
・不動産会社から現在の所有者へ売却された

というように、さまざまな経緯が存在する可能性があります。

もちろん、すべてのケースで相続財産清算人が選任されているとは限りません。

また、相続人の一部が相続した後に売却したなど、別の経緯で現在の所有者につながっている可能性もあります。

だからこそ、

「相続放棄した親族を探す」だけではなく、「その後、この太陽光発電設備について誰が、どのような手続きを行ったのか」をたどることが大切なのです。

 

相続財産清算人が選任されていた場合は?

もし相続財産清算人が選任されているのであれば、その選任の事実や、相続財産清算人がその後どのような手続きを行ったのかを確認することが重要な手がかりになります。

相続財産清算人は、相続財産を清算するために選任される立場です。

そのため、相続財産に不動産などが含まれていた場合には、その財産についてどのような処理がされたのかを確認することで、現在の所有者につながる経緯が分かる可能性があります。

一方、相続財産清算人が選任されていない場合には、相続人の一部が相続した後に売却したなど、別の経緯がないかを確認することになります。

「誰が相続したのか」だけではなく、「相続後に誰が財産を処分・売却する立場にあったのか」まで確認することがポイントです。

 

履歴事項全部証明書だけでは分からないこともあります

現在の所有者の方が確認できる資料として、まず履歴事項全部証明書があります。

履歴事項全部証明書を確認することで、建物の過去の所有者や所有権移転の経緯を確認できる場合があります。

しかし、履歴事項全部証明書だけでは、太陽光発電設備についての詳しい経緯まですべて分かるとは限りません。

「誰が太陽光発電設備を所有していたのか」

「いつ、誰に売却・譲渡されたのか」

「相続関係はどうなっていたのか」

「相続財産について、どのような手続きが行われたのか」

などについて、売買契約書や相続関係の資料など、別の資料から確認しなければならない場合があります。

そのため、手元にある資料を一つずつ整理し、過去の所有者から現在の所有者までの経緯をたどっていくことが重要です。

 

「誰に連絡すればいいのか」が分からないときは

太陽光発電設備の名義変更で、

「前の所有者が亡くなっている」

「相続人は全員相続放棄している」

「不動産会社を経由して建物を購入している」

「不動産会社も太陽光発電設備について把握していない」

「前所有者とは連絡が取れない」

という状況になると、現在の所有者の方だけで解決するのは難しいことがあります。

このような場合に大切なのは、相続放棄をした親族の方に無理に協力を求め続けることではありません。

「この太陽光発電設備について、過去に誰がどのような手続きを行ったのか」

を確認し、

「最終的に、誰がこの財産について手続きをする立場にあったのか」

をたどっていくことです。

相続財産清算人が選任されている場合には、その選任の事実や、その後の財産処分の経緯を確認することが一つの手がかりになります。

また、相続財産清算人が選任されていない場合でも、相続人の一部が相続した後に売却したなど、別の経緯で現在の所有者につながっている可能性があります。

 

太陽光発電設備の名義変更を諦める前に

「相続放棄したので関係ありません」

と言われると、

「もう名義変更はできないのでは?」

と不安になってしまうかもしれません。

しかし、そこで手続きを諦める必要はありません。

大切なのは、現在の所有者から過去にさかのぼって、太陽光発電設備の所有関係と相続関係を整理することです。

特に、建物の売買が複数回行われている場合や、前所有者が亡くなっている場合には、通常の名義変更よりも確認事項が多くなります。

「誰に連絡すればいいのか分からない」

「不動産会社にも分からないと言われた」

「相続人は全員相続放棄していると言われた」

「前所有者とは連絡が取れない」

という場合には、まずは現在お持ちの履歴事項全部証明書、売買契約書、太陽光発電設備に関する資料などを整理してみてください。

そして、相続放棄をした親族を探すことだけにとらわれず、「その後、この設備について誰が手続きをしたのか」をたどることが、名義変更への糸口になることがあります。

当事務所では、太陽光発電設備の名義変更について、前所有者が亡くなっているケースや、相続が関係するケースについてもご相談を承っております。

「太陽光発電設備を購入したけれど、名義が前の所有者のままになっている」

「前所有者が亡くなっていて、相続人と連絡が取れない」

「相続人から相続放棄したと言われた」

「不動産会社を経由して購入したため、以前の所有者が分からない」

このような場合でも、まずは現在お手元にある資料を確認し、これまでの経緯を整理するところから始めます。


 

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ここまでお読みいただきありがとうございます。

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