障害者が地域で自立して生活していくには、「夜間や休日にも安心して暮らせる生活支援体制」が必要不可欠です。特に、てんかん・知的障害・精神障害等による行動障害や、医療的ケアが必要な方も増えており、夜間にトラブルが起きたときにすぐに対応できる職員体制が重要視されています。
このような支援体制の整備を評価し、事業所の負担を軽減するために設けられているのが「夜間支援等体制加算」です。
🔷 主な加算の分類(令和6年度時点)
加算名 | 職員配置体制 | 主な要件 |
夜間支援等体制加算Ⅰ | 夜勤専従職員の常駐 | 1. 夜勤専従者(深夜含む)配置 2. 夜間常駐体制 3. 休日の常時支援体制 |
夜間支援等体制加算Ⅱ | 宿直者などの配置 | 1. 夜間に1名以上の職員配置(宿直含む) 2. 緊急時の対応可能 |
夜間支援等体制加算Ⅲ | 緊急対応体制(オンコール) | 1. 夜間常駐はない 2. 緊急時の対応体制(電話・駆けつけ)もしくは防災体制を確保 |
🔷 算定のための要件詳細
【共通要件】
- 1日の活動終了後から開始時刻までの夜間に利用者の安全を確保する体制が整っていること(午後10時から翌日午前5時の間は最低限含む)
- 緊急対応が取れる職員が配置 or スタンバイされていること(職員の居住地・待機場所も審査対象)
- 職員が配置されている時間帯が勤務表・実績と一致していること
【夜間支援等体制加算Ⅰ】の詳細要件
▷ 勤務体制
- 夜勤専従職員が夜間帯(例:21:00〜翌7:00など)に配置されていること
- 夜間支援従事者が、複数の共同生活住居の利用者に対して夜間支援を行う場合、概ね10分以内で携帯電話等の連絡体制が確保されていること
- 1人の屋か支援従事者が支援を行うことができる利用者数の上限は、複数共同住居では20人、1か所の共同生活住所では30人である
【夜間支援等体制加算Ⅱ】の詳細要件
▷ 勤務体制
- 宿直職員(夜間は休息をとるが緊急時対応可能)が配置されていること
- 夜間支援従事者が、複数の共同生活住居の利用者に対して夜間支援を行う場合、概ね10分以内で携帯電話等の連絡体制が確保されていること
- 1人の屋か支援従事者が支援を行うことができる利用者数の上限は、複数共同住居では20人、1か所の共同生活住所では30人である
▷ 注意点
- 宿直であっても、「単なる宿泊」で終わらず、見守りや巡回、緊急対応可能であることが条件
【夜間支援等体制加算Ⅲ】の詳細要件
▷ 勤務体制
- 夜間常駐職員は配置しないが、
- 近隣にオンコール体制があり、
- 夜間および深夜の時間帯を通して、常時の電話対応+駆けつけ対応が可能な職員を確保
▷ 注意点
- 単なる「携帯を持っているだけ」では不可
- 駆けつけ可能な時間的・地理的距離(例:10〜15分以内に到着可能)が求められる
- 駆けつけ体制を委託する場合(防災センター等)は、委託契約書の整備が必要
🔷 加算についてのまとめ
「夜間支援等体制加算」は、共同生活援助(グループホーム)で暮らす利用者の方々が、夜間や休日でも安心して生活できるように支援体制を整えている事業所を評価する加算です。
この加算を取得するためには、以下のような具体的な職員配置と体制整備が求められます。
加算の種類 | 主な体制 | 支援のレベル |
夜間支援等体制加算Ⅰ | 夜勤専従職員を常駐 | 最も手厚い支援体制 |
夜間支援等体制加算Ⅱ | 宿直者などを配置 | 夜間も一定の見守り体制あり |
夜間支援等体制加算Ⅲ | オンコール対応体制 | 緊急時対応に備えた最低限の体制 |
それぞれの加算に応じた人員配置・記録・マニュアル整備が必要であり、実地指導でも重点的に確認されるポイントです。
また、夜間支援等体制加算は、単なる収入増にとどまらず、
- 利用者や家族からの信頼性向上
- 職員の働きやすさへの配慮
- 安定した運営体制の構築
にもつながる、非常に重要な加算です。
制度の趣旨を理解し、日々の運営と支援の質の向上につなげていくことが大切です。
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