放課後等デイサービスの運営において、「送迎」は保護者の負担を軽減する重要なサービスのひとつです。
特に保護者が働いているご家庭や、交通手段に不安がある家庭にとって、事業所の送迎体制は通所の継続にも直結します。
今回は、令和6年度の報酬改定を反映した「送迎加算」について、単位数表とともに詳しく解説いたします。
送迎加算の種類や算定要件、記録のポイントまで丁寧に整理しましたので、ぜひ日々の運営にお役立てください。
送迎加算とは?
送迎加算とは、放課後等デイサービスにおいて、児童の自宅や学校などと事業所との間で送迎を行った際に算定できる加算です。
保護者の送迎が難しい場合に代行することで、通所の継続や利用者支援の質向上につながります。
送迎加算の単位数一覧(令和6年度報酬改定対応)
送迎加算は、児童の状態や必要な支援によって単位数が異なります。
以下に対象ごとに単位数をまとめた一覧表をご紹介します。
対象児童 | 送迎加算の種類 | 単位数(片道) | 備考 |
一般の障害児 | 通常送迎加算 | 54単位 | 送迎1回(片道)あたり |
重症心身障害児(医ケア児含む・16点未満) | 通常送迎加算+加算 | 94単位 | 通常54単位+加算40単位 |
医療的ケア児(医ケアスコア16点以上) | 通常送迎加算+加算 | 134単位 | 通常54単位+加算80単位 |
重症心身障害児のみ通う専用事業所 | 特例加算 | 40単位 | 重症児の通所に限定した事業所 |
医療的ケア児(特例) | 特例加算 | 40単位または80単位 | 児童の状態により異なる |
同一敷地内の送迎 | 特例 | 所定単位数の70% | 例:同一敷地内のグループホームとの送迎など距離が極めて短い場合が対象 |
送迎加算は「片道ごと」に算定可能です。往復送迎であれば2回分(例:54単位×2=108単位)となります。
送迎加算の算定要件
送迎加算を適切に算定するためには、以下の要件を満たしていることが必要です。
- 保護者からの送迎希望・同意があること
- 児童の送迎が必要であると認められる状況であること
(例:保護者の就労、公共交通機関の利用困難、障害特性など) - 送迎記録(送迎簿)を整備していること
- 自己送迎(保護者による送迎)ではないこと
また、送迎ルートが適切であり、無理のない範囲で運行されているかも重要なチェックポイントです。
送迎記録のポイント|送迎簿の整備が必須
送迎加算の実地指導では、「送迎簿」が正しく整備されているかが確認されます。
記録不備があると、加算の返還を求められるケースもありますので、下記項目は必ず記載しましょう。
■送迎簿に記載すべき内容
- 利用児童の氏名
- 送迎日
- 出発地・到着地(例:自宅 → 事業所)
- 出発・到着時間
- 運転者・同乗職員の氏名
- 備考欄(遅延や特記事項など)
自治体によっては様式の指定がある場合もあるので、事前に確認しておくと安心です。
送迎加算を活かす運営ポイント
- 送迎ルートの最適化: 安全かつ効率的なルート設計を行う
- 運転者の研修: 安全運転・障害理解の研修を定期的に実施
- 保護者との連携強化: 送迎内容やトラブル対応のルールを事前に共有
送迎サービスを単なる「加算対象」としてではなく、保護者支援・信頼構築の手段としてとらえることで、より安心・安全な運営につながります。
まとめ
送迎加算は、事業所にとって大切な収益源であると同時に、利用家庭への支援手段でもあります。
令和6年度の報酬改定で加算単位が整理・拡充された今こそ、送迎体制や記録体制を見直すチャンスです。
正しい記録と丁寧な運行管理を行いながら、安心感のあるサービス提供を目指しましょう。
参考リンク
最後までお読みいただきありがとうございました。
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