放課後等デイサービスは、障害のあるお子さんが安心して過ごせる場所であると同時に、個別の特性に応じた療育や支援が求められる福祉サービスです。
日々の支援の中では、医療的なケアを必要とするお子さんへの対応や、専門的な職種による関与が重要になる場面も多く見られます。
今回は、放課後等デイサービスの中でも専門性の高い支援体制を評価する4つの加算について、わかりやすくご紹介します。
1.専門的支援体制加算とは?
専門的支援体制加算は、放課後等デイサービスにおいて、理学療法士などによる支援が必要な児童等への専門的な支援の為に、継続的に支援体制を整えている事業所に対して算定できる加算です。児童の行動特性や発達課題に応じて、専門職が支援内容について助言を行い、支援の質を高めることが目的です。
たとえば、発達障害や感覚過敏など、よりきめ細かな対応が必要なお子さんに対し、個別支援計画の作成時や支援の見直し時に専門職が継続的に関与していることが評価されます。
配置要件を満たすことで、支援の幅が広がるとともに、保護者にとっても安心材料となる重要な加算です。
2.看護職員加配加算とは?
次にご紹介するのが、看護職員加配加算です。こちらは、一定の基準を満たす医療的ケアや日常的な健康管理が必要な児童等が在籍している場合に、看護師を加配している体制に対して算定できる加算です。
医療的ケア児を受け入れる放課後等デイサービスが増える一方で、医療的処置を安心・安全に提供するためには、看護師の配置が不可欠です。
看護師は、単にケアを行うだけでなく、職員への指導、保護者への助言、医療機関との連携など、多岐にわたる役割を担います。
▶ 看護職員加配加算の要件
- 主として重症心身障害児を通わせる放課後等デイサービスである事
- 常勤看護職員を1以上加配していること(配置基準を超える人数)
- 医療的ケアが必要な児童に関して支援を提供できる旨をインターネット等により広く公表している事
- 医療行為が必要とする状態の重症心身障害児のスコアが基準以上である事
医療的ケアが必要なお子さんへの対応は、支援者の心理的負担も大きいため、体制づくりのための加算として非常に重要です。
3.利用者負担上限額管理加算とは?
放課後等デイサービスの利用者には、月ごとの自己負担の上限額が設定されています。
この加算は、複数の事業所を利用している児童に対し、月の合計利用額が上限に達したかどうかを管理し、連絡・調整を行った事業所に対して支給されるものです。
たとえば、「平日はA事業所、土曜日はB事業所を利用している」ケースでは、どの事業所が上限額の管理を行うのかという役割分担が必要です。
▶ 利用者負担上限額管理加算のポイント
- 月1回の算定
- 他事業所との連絡調整、利用実績の確認が必須
- 利用者負担額が上限に達していること
行政への報告や実績管理が煩雑になりがちな業務ですが、こうした実務を担うことに対して正当に評価される加算です。
4.専門的支援実施加算とは?
最後にご紹介するのは、専門的支援実施加算です。こちらは、理学療法士等により、個別・集中的な専門的支援を計画的に行った場合に算定されます。
専門職の継続的な関与に加え、個別支援計画に基づいた療育支援が一定以上行われていることが要件です。単なる見守りや遊びの提供ではなく、療育目的を明確にしたうえで、発達段階や障害特性に応じた支援を行っている事業所に対して評価されます。
専門加算の活用は、「質の高い支援」への第一歩
ここまでご紹介してきた4つの加算は、どれも「支援の質」や「専門性の高さ」を評価するものです。
加算の取得には、適切な職員体制や記録整備、届出書類が必要になりますが、それらはすべて、よりよい支援を目指すための土台になります。
また、加算は単なる収益の増加ではなく、事業所としての支援方針や理念を外部に示すメッセージにもなります。
最後に:届出や体制整備にお困りの際はご相談ください
これらの加算を導入するためには、行政への事前の届出や人員配置の調整、記録の整備が不可欠です。特に、はじめて加算を導入される方や、医療的ケア児を新たに受け入れようとされている事業所様にとっては、不安な点も多いかと思います。
当事務所では、放課後等デイサービスの開設から運営支援、加算届出のサポートまで丁寧に対応しております。女性目線ならではの細やかな支援を心がけていますので、どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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