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グループホームの概要
グループホームは、家庭的な環境で複数人が共同生活を送る施設です。主な利用対象は知的障害者、精神障害者、身体障害者で、地域のアパートや一戸建てなどで生活します。各住居の定員は2~10人、事業所全体では4人以上の利用者が必要です(障害者グループホーム開設の手引き 兵庫県)。
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設置基準
以下に、グループホームの設置基準をまとめた表を示します。
項目 | 基準 |
居室面積 | 7.43㎡以上(収納スペースを除く) |
居室の定員 | 各居室は1人部屋 |
住居定員 | 新規施設:2~10人、既存建物:2~20人 |
共用設備 | 台所、浴室、トイレ、洗面所、居間(食堂)が必要 |
立地条件 | 原則として入所施設や病院の敷地外に設置する |
サテライト型 | 本体住居から20分以内の距離に1人住まいの住居を設置可能 |
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運営に必要な人員配置
グループホームの運営にあたっては、適切な人員配置が不可欠です。
項目 | 配置基準 |
管理者 | 常勤、事業全体の管理を行う |
サービス管理責任者 | 30人に1名(業務換算で0.5以上の配置が望ましい) |
生活支援員・世話人 | 障害支援区分に応じた数の配置(区分3の利用者は9:1で除算) |
- 夜間の配置:夜間帯においては、夜間支援従事者を配置することで夜間加算が認められますが、配置しない場合は、夜間緊急時の対応策を定めて利用者に説明する必要があります(障害者グループホーム開設の手引き 兵庫県)。
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防火安全対策
グループホームでは防火安全対策の実施が義務付けられています。特に、重度の障害者が多い施設(障害支援区分4以上の者が80%以上)は、以下の設備と管理が必要です。
- 防火管理者の選任:防火管理者を配置し、定期的に消防計画を作成することが必要です。
- 避難訓練の実施:定期的に避難訓練を行い、利用者とスタッフの安全確保を図ります。
- 防火設備:自動火災報知設備、火災通報装置、消火器、スプリンクラー設備の設置が必要です(障害者グループホーム開設の手引き 兵庫県)。
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開設手続きの流れ
グループホームの開設手続きには、兵庫県または政令市の指定を受けることが求められます。手続きの流れは以下の通りです。
- 事前協議:県民局または市担当窓口に事前相談を行い、必要な準備を確認します。
- 申請書類の提出:申請書、付表、運営規程、協力医療機関の契約内容、平面図などの書類を用意し提出します。
- 審査と指定:審査は約30日かかり、毎月1日または15日に指定されます。
- 消防との協議:開設前には所在地の消防署との協議が必要です(障害者グループホーム開設の手引き 兵庫県)。
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運営にかかる費用
グループホームの運営は、障害福祉サービス利用者に支給される「給付費」と利用者本人の負担金を元に行われます。また、家賃、食費、光熱水費などの実費相当額を利用者から徴収することができます。家賃については、低所得者向けに補助制度も用意されています(障害者グループホーム開設の手引き 兵庫県)。
費用項目 | 説明 |
給付費 | 利用するサービスに応じて市町から支給され、代理受領方式で支払われる |
利用者負担金 | 基本的に1割の自己負担(所得に応じて上限額が設定) |
その他の費用 | 家賃、食費、光熱水費、日用品費(実費徴収可能) |
まとめ
兵庫県でグループホームを開設するためには、施設の規模、立地、人員配置、防火安全対策など、さまざまな基準を満たす必要があります。これらの基準を遵守し、適切な運営体制を整えることで、利用者が安全で快適に生活できる環境を提供することが可能です。
手続きや基準は複雑ですが、地域の支援を受けつつ、きちんと準備を進めることが成功の鍵です。障害を持つ方々が地域で自立した生活を送るために、グループホームの開設を検討する皆様には、これらのポイントを押さえて取り組んでいただければと思います。
参考文献
- 兵庫県福祉部障害福祉課「障害者グループホーム開設の手引き」(令和6年改訂版)(障害者グループホーム開設の手引き 兵庫県)。
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