放課後等デイサービスを運営する中で、聞き慣れない専門用語に戸惑うことも多いのではないでしょうか。
今回はその中でも、とくに注意が必要な「児童発達支援管理責任者欠如減算」について、専門用語をできるだけ使わず、わかりやすく解説します。
放課後等デイサービスに関わる方にとってはとても大切な内容ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
児童発達支援管理責任者とは?
まずは「児童発達支援管理責任者」(略して「児発管」)について説明します。
◉ 児発管の役割とは?
放課後等デイサービスでは、子ども一人ひとりに合った支援を行うことが求められています。そこで中心的な役割を果たすのが児童発達支援管理責任者です。
児発管は、以下のような役割を担っています。
- 利用児童ごとの「個別支援計画」の作成
- 計画の進行状況の確認(モニタリング)
- 他の支援スタッフへの指導や連携
- 保護者や学校、医療機関などとの連絡・調整
いわば、子どもたちの支援全体をコーディネートする「司令塔」のような存在です。
◉ 児発管になるには?
児発管になるには、以下のような条件があります。
- 相談支援業務での実務経験(5年以上)
- 直接支援業務での実務経験(8年以上)
- 有資格者(保育士・社会福祉士・医師等)として5年以上、かつ、相談支援・直接支援業務を3年以上従事
- 都道府県などが実施する「児童発達支援管理責任者研修」の基礎研修修了及び実践研修終了 等
このように、経験と専門性の両方が求められる職種であり、非常に重要な存在であることがわかります。
欠如減算とは?どういうときに発生するの?
さて、本題の「児童発達支援管理責任者欠如減算」についてです。
◉ 減算とは?
「減算」とは、国が定めた基準を満たしていない場合に、事業所が受け取れる給付費(報酬)が減額されることです。
◉ 欠如減算の対象になるケース
児発管が以下のような状態にあると、欠如減算の対象になります。
- 一定期間、児発管が配置されていない
- かつ、そのことを都道府県や市町村に適切に届け出ていない
つまり、児発管が退職や休職などで不在になったあと、そのまま放置していたり、報告せずに運営を続けていたりすると、この減算が適用されてしまいます。
減算の内容|どれくらい減らされるの?
◉ 減算率
児発管が不在の状態が続いた場合、基本報酬から規定の単位数が減算されます。
(※単位=給付費計算の基準。1単位=約10円前後です)
児発管の最終出勤日翌日を起算日とし、その翌々月から新たに配置されるまでの間が減算対象となります。
*減算適用1月目~4月目・・・所定単位数(基本報酬)の70%を算定
*減算適用5月目以降・・・所定単位数(基本報酬)の50%を算定
減算を回避するには?
◉ 不在が判明したらまず「届け出」を!
児発管が急に退職した場合や、病気や産休で長期間の休みに入った場合は、すぐに市区町村または都道府県に届け出をしましょう。
届け出があれば、すぐに減算されるわけではなく、退職理由が「やむを得ない理由」である場合は「一定の猶予期間」が設けられるケースもあります。
◉ 候補者の早期育成を意識しよう
将来的な人員不足に備えて、社内で児発管になれる可能性がある人材に実務経験を積ませる・研修を受けさせるといった準備も必要です。
まとめ
児童発達支援管理責任者は、放課後等デイサービスにおいて支援の中核を担う非常に重要な存在です。
そのため、配置していない場合には「減算」という形で厳しく対応されます。
しかし、正しく届け出を行い、自治体と連携しながら速やかに対応すれば、最悪の事態は避けられます。
スタッフの急な退職や体調不良など、やむを得ない事情が起こることもあります。そんなときのために、日ごろからの備えと社内体制の見直しがとても大切です。
経営にとっても、子どもたちの支援にとっても、児発管の存在は欠かせません。
減算リスクを防ぎながら、安心・安全な支援体制を整えていきましょう。
参照元
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」
- 兵庫県障害福祉サービス運営指導資料
- 障害者総合支援法事業者ハンドブック(中央法規)
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