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放課後等デイサービスにおける「看護職員加配加算」とは?

今回は、放課後等デイサービスにおける「看護職員加配加算」について、皆さまにわかりやすくご紹介いたします。医療的ケアが必要なお子さんの受け入れを検討している事業所様にとって、ぜひ知っておきたい加算です。

看護職員加配加算とは?

「看護職員加配加算」とは、放課後等デイサービスにおいて、看護職員を常勤換算で一定数以上配置している場合に算定できる加算です。主に、医療的ケアを必要とする障害児への対応を可能にする体制を評価する目的で設けられています。

放課後等デイサービスの利用児童の中には、日常的に吸引や胃ろうなどの医療的ケアを必要とする「医療的ケア児」が含まれることがあります。こうした児童に安全かつ適切な支援を行うには、医療的知識を持った看護職員の存在が不可欠です。

このような背景から、一定の条件を満たして看護職員を加配(通常より多く配置)している事業所に対して、報酬上の評価としてこの加算が設けられています。

 

加算の対象と目的

看護職員加配加算の主な目的は以下の通りです:

  • 医療的ケア児の受け入れ体制を強化する
  • 利用児童の健康状態を継続的に把握する
  • 急な体調変化に即座に対応できる体制を整える
  • 家族の安心感を高める

加算の対象となるのは、放課後等デイサービス事業所のうち、一定の条件を満たして看護職員(正看護師、准看護師)を配置している事業所です。

 

看護職員加配加算の算定要件(令和6年度時点)

以下は、令和6年度の報酬改定に基づく算定要件の一例です(※自治体によって若干の運用差がある場合がありますので、詳細は各自治体の指定権者に確認することをおすすめします)。

【主な算定要件】

看護職員加配加算Ⅰの場合

  1. 看護職員(正看護師または准看護師)を常勤換算で1名以上配置していること
  2. 医療的ケア児の利用があり、医療的ケア児のそれぞれの医療的ケアスコアを合計した数が40点以上であること
  3. 医療的ケアが必要な児童に対して支援を提供することができることをインターネット、その他の方法により広く公表していること

看護職員加配加算Ⅱの場合

  1. 看護職員(正看護師または准看護師)を常勤換算で2名以上配置していること
  2. 医療的ケア児の利用があり、医療的ケア児のそれぞれの医療的ケアスコアを合計した数が72点以上であること
  3. 医療的ケアが必要な児童に対して支援を提供することができることをインターネット、その他の方法により広く公表していること

このように、ただ看護師を雇うだけでなく、「常勤換算」「医療的ケア児の受け入れ実績」「看護師の支援関与」といった複数の要素が求められています。

 

加算の区分と単位数

令和6年度時点の報酬単価の例を挙げると、以下のような区分になっています。

【定員10名の場合】

区分 内容 単位数(1日あたり)
看護職員加配加算Ⅰ 常勤換算1名以上の看護師を配置 200単位
看護職員加配加算Ⅱ 常勤換算2名以上の看護師を配置 400単位

 

 

実務上のポイント

医療的ケア児のニーズ把握が第一歩

看護職員加配加算を検討する場合、まず地域における医療的ケア児のニーズを把握しましょう。地域の保健所や相談支援専門員、医療機関などと連携することで、支援が必要なお子さんとのマッチングがスムーズになります。

看護師の確保が最大のハードル

現場では「看護師の確保」が最も難しいポイントです。福祉施設での勤務に興味のある看護師はまだ限られているため、求人方法や勤務条件を工夫する必要があります。時短勤務や非常勤から始める形も選択肢です。

看護師の役割を明確にする

単に健康チェックを行うだけでなく、個別支援計画への意見提供、緊急時対応マニュアルの整備、他職種との連携など、多様な役割を担ってもらうことが重要です。

加算を算定するメリット

  • 医療的ケア児の受け入れが可能になるため、対象児童が広がる
  • 保護者からの信頼を得やすくなる
  • 支援の質が向上する
  • 加算によって収益の安定化が見込める

特に、重症心身障害児や医療的ケアが必要なお子さんを支援できる体制を整えることで、地域にとっても欠かせない存在となり、事業の差別化にもつながります。


まとめ

「看護職員加配加算」は、放課後等デイサービスにおける医療的ケア児の受け入れ体制を強化し、より安全で安心な支援を提供するために重要な加算です。加算を活用するには、医療的ケア児のニーズ把握と看護師の確保、配置要件の確認と届け出など、事前準備が不可欠です。

看護職員を加配することで、事業所の支援体制が一段と強化され、保護者の安心感にもつながります。地域における必要性も高いため、今後の事業運営において「医療的ケア児対応」は大きなテーマとなるでしょう。


 

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最後までお読みいただきありがとうございました。


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