家族支援加算の概要
放課後等デイサービスは、障害のある子どもたちに放課後や長期休暇中に生活支援や学習支援を行う重要なサービスですが、その提供において、保護者や家族への支援も大変重要な役割を果たしています。このため、家族支援加算という加算が設けられ、放課後等デイサービスを提供する事業者が保護者や家族に対する支援を強化した場合に、一定の報酬を得ることができます。
家族支援加算は、家族が抱える課題や悩みを軽減するために提供される支援活動に対して加算されます。この加算は、サービス利用者の家族がより良い環境で子どもを育てることができるよう、放課後等デイサービス事業者が行う支援の一環として設けられたものです。
家族支援加算の目的
家族支援加算の主な目的は、以下の通りです:
- 家族の負担軽減:障害を持つ子どもを育てる中で、保護者は精神的・肉体的な負担が大きくなることがあります。家族支援加算は、これらの負担を軽減することを目的としています。
- 家族の支援強化:保護者が抱える悩みや不安に対して、専門的な支援を提供することで、家族全体の福祉を向上させることを目指しています。
- 家庭内での発達支援:子どもが放課後等デイサービスで受けた支援が家庭内でも実践されることで、より効果的な支援が行われ、子どもの発達にプラスの影響を与えることが期待されています。
家族支援加算の主な支援内容
家族支援加算は、具体的には以下のような支援活動に対して支給されます:
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保護者への相談支援
保護者が感じている悩みや不安について専門的な相談を行います。障害についての理解を深めたり、日常生活の中での問題解決をサポートしたりすることが含まれます。
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家庭へのアプローチ
家庭内での支援方法や環境作りについてアドバイスを行います。例えば、家庭での学習環境の整備や、子どもとのコミュニケーション方法に関する助言が含まれます。
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定期的な面談や訪問支援
保護者と定期的に面談を行い、家庭の状況を把握して適切なサポートを行います。電話や訪問による支援も、加算の対象となることがあります。
家族支援加算を受けるための条件
家族支援加算を受けるためには、放課後等デイサービス事業者が以下の条件を満たす必要があります。
- 計画的な支援:家族支援は、単発的な支援ではなく、計画的かつ継続的に実施することが求められます。
- 実施内容の記録:支援内容、支援の頻度、支援の方法などを適切に記録し、必要に応じて確認できる状態にすることが求められます。
- 専門性の確保:家族支援を行う際には、専門的な知識を持つスタッフによる支援が望ましいです。これにより、支援がより効果的になります。
家族支援加算の単位数
放課後等デイサービスにおける家族支援加算は、保護者への支援を強化するための重要な制度です。以下に、家族支援加算の主な区分とその報酬単価をまとめた表を示します。
家族支援加算の報酬単価表
家族支援加算(Ⅰ) | 保護者の居宅を訪問し、所要時間1時間以上の支援を行う場合
|
1回につき300単位 | 個別 |
保護者の居宅を訪問し、所要時間1時間未満の支援を行う場合
|
1回につき200単位 | ||
事務所等での対面の支援の場合 | 1回につき100単位 | ||
オンラインでの支援の場合 | 1回につき80単位 | ||
家族支援加算(Ⅱ) | 事務所等での対面の支援の場合 | 1回につき80単位 | グループ |
オンラインでの支援の場合 | 1回につき60単位 |
注:上記の報酬単価は、厚生労働省が公表している「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」に基づいています。
注意事項
- 訪問回数の上限:家族支援加算(Ⅰ)および(Ⅱ)は、月4回を限度として算定可能です。
関連資料
詳細な報酬算定基準やその他の加算については、以下の資料をご参照ください。
- 障害福祉サービス費等の報酬算定構造:https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001205331.pdf厚生労働省
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(案):https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001204018.pdf厚生労働省
家族支援加算の意義
家族支援加算は、放課後等デイサービスにおけるサービスの質を高め、利用者の家族がより良い支援を受けられるようにするために重要な役割を果たします。家族が直面する課題や不安を軽減するため、保護者の精神的な支援を行うことは、子どもがより安定した環境で成長できる基盤となります。
また、家族支援加算を受けることによって、放課後等デイサービス事業者はより質の高い支援を提供することができ、利用者の満足度向上にもつながります。こうした取り組みが、結果的には障害福祉サービス全体の質を向上させることにつながります。
まとめ
家族支援加算は、放課後等デイサービスにおいて、利用者の家族に対する支援を強化するための加算です。この加算を活用することで、保護者や家族の負担を軽減し、子どもがより良い環境で育つことを支援することができます。事業者は計画的に支援を実施し、支援内容を適切に記録・管理することが求められます。
放課後等デイサービスの質を向上させるために、家族支援加算は非常に重要な制度です。事業者としては、家族支援をしっかりと行い、その成果を反映させることが求められています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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