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福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金について

福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金とは?

2024年(令和6年)2月からスタートした『福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金』は、福祉や介護分野で働く職員の処遇改善を目的とした新たな支援策です。この交付金は、社会全体で進む人手不足の中で、特に深刻な福祉・介護分野の労働環境改善を目指し、職員のモチベーション向上や離職率の低下を促進するために設けられました。

本記事では、この特例交付金の目的、対象、具体的な支援内容、および事業者が知っておくべき申請方法について詳しく解説します。


背景と目的

近年、福祉・介護分野では高齢化社会の進展に伴い、需要が急増している一方で、人材不足が深刻化しています。特に、職員の給与水準が他業種に比べて低いことが原因の一つとされています。

そのため、政府は『介護職員等特定処遇改善加算』や『介護職員処遇改善加算』などを通じて、継続的な支援を行っていますが、物価高や人件費の高騰を受け、さらなる処遇改善の必要性が高まっています。

この状況を受けて、2024年度に臨時的な措置として『福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金』が導入されました。この交付金の導入により、現場職員が安心して働ける環境を整え、利用者に対するサービスの質を向上させることが期待されています。


対象となる職員と事業者

  1. 対象職員

この交付金の支援対象となるのは、以下の職員です。

  • 福祉・介護サービス事業所で勤務する介護職員
  • 障害福祉サービス事業所で勤務する職員
  • 保育所や児童福祉施設で勤務する保育士などの福祉従事者

職種に限定されず、現場で直接サービス提供を行う職員が対象となります。

  1. 対象事業者

以下の事業者が交付金の申請対象となります。

  • 介護保険法に基づく介護サービス事業者
  • 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業者
  • 児童福祉法に基づく保育所や放課後児童クラブの運営者

 

具体的な支援内容

  1. 交付金の金額

支給額は事業所の規模や職員数に応じて異なりますが、職員一人当たり月額平均6,000円の賃金引き上げを目指しています。

  1. 使用用途

交付金の主な使用用途としては、以下が挙げられます。

  • 基本給の引き上げ
  • 特別手当の支給
  • 福利厚生の充実(例:交通費補助や研修費用の負担)
  1. 支給期間

本特例交付金は2024年2月から5月分までの限定的な措置として実施される予定です。詳細な支給期間や金額については、地域や事業所によって異なる場合があるため、各自治体の公式発表を確認することが重要です。

 

交付金の対象となる主な要件

  1. 福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算を取得していること
    • 2024年4月分から加算を算定している事業所も含む。
  2. 2024年2月から賃金改善を実施していること
    • 就業規則改訂が間に合わない場合、2月分と3月分をまとめて改善してもよい。
  3. 交付金全額を賃金改善に充てること
    • さらに、4月と5月分については3分の2以上を基本給等の引き上げに使用する必要がある。

申請方法

  1. 申請の流れ

  1. 自治体への問い合わせ: 交付金を申請するには、まず各自治体が提供する申請ガイドラインを確認します。
  2. 必要書類の準備: 職員数や給与支給実績を証明する書類が必要です。
  3. オンラインまたは郵送で申請: 多くの自治体ではオンライン申請に対応しています。
  4. 審査と交付決定: 提出後、自治体が内容を審査し、交付金額が決定されます。
  1. 提出期限

申請の締め切りは地域によって異なりますが、特例措置であるため早めの対応が求められます。特に、書類不備があった場合は再提出が必要となるため、余裕を持った準備を心がけましょう。

 

注意点とポイント

  • 職員への周知を徹底: 交付金が導入されることで給与改善が見込まれるため、職員に対して具体的な使用計画を説明することが求められます。
  • 用途制限の遵守: 交付金は職員の処遇改善に直接使うことが条件とされているため、他の用途に流用しないよう注意が必要です。
  • 報告義務: 交付金の使用状況については、後日自治体に対する報告義務があります。適切な記録を残しましょう。

 

まとめ

『福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金』は、福祉・介護分野で働く職員の処遇改善を実現するための貴重な支援策です。物価高や人材不足が続く中、事業者はこの制度を積極的に活用し、職員が安心して働ける環境を提供することが求められています。

本制度の活用にあたり、申請方法や使用用途について十分に理解し、職員への利益が最大限に届くよう努めましょう。

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