放課後等デイサービスを運営する際、子どもが急な体調不良や家庭の事情などで利用をキャンセルすることは少なくありません。その際に、事業所が適切なフォローを行うことで、子どもやその保護者に安心感を提供できる制度の一つが『欠席時対応加算』です。本記事では、この加算の目的や要件、算定方法、取得のポイントについて詳しく解説します。
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欠席時対応加算とは?
『欠席時対応加算』とは、放課後等デイサービスの利用予約をしていた子どもが、当日急病等によりやむを得ず欠席した場合に、事業所が電話や訪問などを通じて適切な対応を行った際に算定できる加算です。この加算の目的は、子どもや保護者への継続的なサポートを行い、生活リズムの維持や支援の途切れを防ぐことにあります。
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欠席時対応加算の目的
子どもが放課後等デイサービスを利用できない場合、支援が途切れてしまうことで発達や生活習慣の面で影響を受ける可能性があります。そのため、事業所が欠席時にも対応を行うことで、
- 子どもの体調や状況を確認し、必要なサポートを提供する
- 保護者と連携し、安心できる環境を整える
- 子どもの支援計画の見直しや次回の利用に向けた調整を行う
といったメリットがあります。
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欠席時対応加算の算定要件
この加算を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 事前に利用予約があったこと
- 加算を算定するためには、欠席する児童が事前に放課後等デイサービスの利用予約をしていたことが前提となります。
- 当日に子どもが利用中止したこと
- その欠席をした日の前々日、前日または当日に中止の連絡があったこと。(3日以上前に連絡が来たときは算定できません)
- 欠席時に適切なフォローを行うこと
- 電話やオンラインでの連絡、場合によっては訪問などを通じて、子どもの状況を確認し、保護者に対して適切な助言を行い、引き続き利用を促す等の相談援助を行う必要があります。(直接の目会や自宅訪問等は要しません。)
- 対応内容を記録に残すこと
- 連絡日時、対応内容、保護者の反応などを記録として残し、適正に管理することが必要です。
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加算の種類と算定方法
- 1回あたり94単位/日
- 原則として1か月4回まで算定可能
- 重症心身障碍児を支援する事業所では、定員充足率が80%未満の場合、 1か月に8回まで算定可能
【計算例】
利用日前日に欠席の連絡が2回あり、電話にて相談援助を行った場合
(西宮市の場合)
94単位×2回×10.72(地域単価)=2,015円
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欠席時対応加算を取得するメリット
この加算を適用することには、以下のようなメリットがあります。
- 子どもの支援が途切れない
- 欠席した場合でも支援の一環としてフォローを行うことで、生活リズムや支援計画の継続性を維持できます。
- 保護者との信頼関係を強化できる
- 欠席時にフォローを行うことで、保護者に安心感を提供し、事業所との信頼関係を強めることができます。
- 事業所の収益を安定させる
- 利用児童が欠席した場合でも、適切な対応を行えば加算を算定できるため、収益面の安定につながります。
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加算を取得する際の注意点
欠席時対応加算を取得するにあたり、以下の点に注意が必要です。
- 対応の記録を適切に残すこと
- 監査の際に加算の適用が適正であることを証明するため、連絡内容や保護者とのやり取りを記録することが重要です。
- 自治体ごとのルールを確認すること
- 自治体によっては、加算の適用条件や申請方法が異なる場合があるため、事前に確認しておく必要があります。
- 形式的な対応にならないようにすること
- 形式的な連絡のみでは加算の趣旨に沿わないため、子どもの様子や保護者の意向をしっかりと把握し、実際に支援につながる対応を行うことが大切です。
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まとめ
『欠席時対応加算』は、放課後等デイサービスを利用する子どもが欠席した際に、事業所が適切なフォローを行うことで取得できる加算です。単なる連絡にとどまらず、子どもの健康や生活リズムを維持するための支援を提供し、保護者との信頼関係を築くことができます。
適切な管理と記録を行いながら、この加算を活用し、より充実した放課後等デイサービスの運営を目指しましょう。
参考:障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編(中央法規)
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